過去25年間の札幌市の賃貸住宅の新築供給戸数の合計はおよそ27万戸(民営借家総戸数はおよそ40万戸)、過去25年で年間の供給戸数が1.2万戸を超えたのは2002年~2007年の6年間と2016年~2017年の2年間、近年2019年~2022年は8千戸台の供給に減少しています。(※国土交通省「建築着工統計調査」より)
今後、しばらくは地価や建築費の高騰と(緩やかな)金融引き締めによって新築供給戸数は減少していくと思います。
同様の要因で新築住宅も建ちにくく持ち家志向のファミリー層が賃貸市場に流入しております。
もともと札幌市の賃貸住宅は1DK~1LDKが多く2LDK以上のファミリー物件が少ない背景がありファミリー向け賃貸の需給バランスに大きなギャップが生じております。
直近、(新築供給戸数の減少により)札幌市の家賃の上昇率は全国平均を上回っていますが、なかでも2LDK以上のファミリー向け物件の家賃の上昇は際立っております。
===2LDK~3LDKが有望!===
グロス利回りは多少下がりますが、比較的入退去のサイクルが長いので空室ロス・仲介手数料・内装費用を抑えることが出来ますので、その分ネット利回りは高くなります。
郊外の土地価格は、コロナ渦の反動から一時的に需要が高まり価格も上昇しましたが、今後また下落の可能性が高くマイホームを取得しても資産としての魅力はありません。
また、「所有する」ことに関しての意識変化もあげられます。
例えば自動車は、レンタカーやカーシェアリングが浸透したことにより「所有する」から「アクセスする」へと消費形態が一部、変化しています。
住宅において、これからは「資産としてマイホームを所有する」から「〝効用価値″で賃貸を選ぶ」へと消費形態が変わっていくと思います。
ニーズにあった〝質の高い″賃貸住宅、その需要は今後高まっていきます。